土地区画整理法違反が次々と、一つの開発に最低11もの処分
三井グランド環境裁判の第4回口頭弁論が、2月13日、東京地裁大法廷で開かれました。原告側は第3準備書面を提出、区長が認可した土地区画整理事業認可の違法を論述しました。一つの開発であるのに、南北二つの区画整理事業に分け、それぞれ用途地域・高度地区変更、地区計画をかけ、東西南北4つに分けて一団地認定を取るなど、最低でも11の行政処分を経て許可した違法を指摘しました。一部を紹介します。(全文掲載は準備中)
■ 北地区に公園設計欠如の違法 土地区画整理法施行規則9条6項は、施行地区内の居住者一人当り3㎡以上の公園を必要とする。北地区に公園の設計がない。被告らは南地区で代替するとするが、ならば南北の事業が一体のものとなる。すると今度は、北地区が都市計画決定されてない違法が生じる。
■ 広域避難場所の避難有効面積算定に関する違法 都が提出した有効面積算定の資料と三井不動産作成と都が認める「想定避難有効面積概略図」とで大きなズレがある。面積の事実認定に誤りがある。
■ 避難人口の設定に関する違法 区は、浜田山駅南口からグランド北側一帯を中高層住宅地に変更する構想を持っている。人口の増加が見込まれるのに、算定に入れないのは誤りである。
■ 北地区の都市計画決定を考慮していないことの違法(都市計画法12条1項違反) 北地区と南地区は同一の所有者であり、三井グランドとして利用されてきた同質の土地である。都市計画審議会でも一体的に扱い地区計画決定された。南北地区一体となった道路・公園・上下水道整備を行っている。従って、北地区も都市計画決定が必要であり、この欠如自体が違反である。
■ 事業認可申請日・認可処分日と、用途地域の変更決定・地区計画決定日のズレによる違法 事業認可申請は04.11.1 05.11.1、認可処分は04.12.1 05.12.1。しかし用途地域変更及び地区計画の決定・発効は、東京都の公報に掲載された05.1.23 06.1.23である。認可時点では、従前の用途地域での開発・建設しか許されない。(尚、今回「住民提案の地区計画案全文」も証拠として提出しました)
区側の証拠を使い、違法を証明
口頭弁論は、原告39人のほか傍聴席もほぼ埋まり熱気がみなぎりました。杉原裁判長は、「弁護団が出された求釈明は内容的にうなずける点がある」とのべ、杉並区に対し「次回には、なぜ二つの土地区画整理に分けたのか? それにもかかわらず、公園面積等については南北を一体として適法と主張しているが、そういうことが可能なのか。北地区が都市計画決定を経ていないことの適否について見解を準備するよう」求めました。
原告側が指摘した点に裁判長が関心を示したということは、重要なポイントになるとのことです。これで閉廷しかけた時、弁護団長が発言を要求。三井不動産が杉並区に提出した「土地区画整理事業の設計図原図」を示しながら指弾しました。
■ 北地区の図面 215号線と外周道路が描かれているだけで、公園も東西方向の道路も何もない。いわば、土地区画整理事業としては“欠陥商品”であることは明白である。
■ 南地区の図面 215号線が南側の区道に貫通していて、公園2号と3号は16㍍幅の道路で断ち切られている。ところが区が住民説明会で示した完成予想図は「緑地」で彩られている。いわば“路上の空中緑地”という、滑稽な構図になる。計画があいまいであり違法である。
■ 北地区と南地区との境界の違法 南北の境界は、「線」が描かれているだけだ。道路とか河川とか、確かに区別できる境界が必要と規定する土地区画整理法施行規則8条1項違反である。
こうして、自らの証拠によって違法が明白になるのは、杉並区と三井不動産が“いいとこ取りをして、住民を欺こう”と策略した結果です。
次回口頭弁論: 4月20日(金)午後3時から、東京地裁103号大法廷
訂正: 上記文中、「事業認可申請は04.11.1、認可処分は04.12.1。しかし用途地域変更及び地区計画の決定・発効は、東京都の公報に掲載された05.1.23」とあるのは、「事業認可申請は05.11.1、認可処分は05.12.1。しかし用途地域変更及び地区計画の決定・発効は、東京都の公報に掲載された06.1.23」の誤りでしたので、文中の当該個所を取消線にて取消の上、正しい日付を掲載しました。
