三井グランド環境裁判 画期的展開、区と都に対し裁判長が異例の注文
「浜田山・三井グランド環境裁判」第2回口頭弁論が、9月22日午後、東京地方裁判所で開かれ、大法廷は原告・傍聴者130人で埋まりました。裁判長は「原告適格」を問うことなく審議に入り、画期的な展開となりました。区と都が、訴状に提起した問題に具体的に答えなかったので、裁判長から「資料提出」が求められました(下記)。裁判長から注文がつくこと自体が異例ならば、口頭でなく文書でなされたことも異例です。議論を避けようとする区と都に対して、「それはダメですよ」と釘を刺し、「工事を進めてしまえばお終い」という三井側に対して、「そういうことは許されない」という裁判所の姿勢を示したことになります。
斎藤驍弁護団長は、著名な都市計画家・石川栄耀氏の「都市計画とは“社会への愛”である」という言葉を引用して、都市計画の理念を諄々と解き、押し黙るばかりの被告席(区・都)と好対照でした。感動をよんだ前回の住民側陳述と今回の弁論は、“緒戦での勝利”といえます。
次回口頭弁論は、11月10日(金)午後3時から103号大法廷です。
〈裁判長の杉並区への書面要求〉
【被告杉並区】
(1) 原告らの平成18年9月22日付け準備書面に対する反論を記載した準備書面を提出されたい。
(2) 本件土地区画整理事業が施行される土地の区域は、都市計画法12条2項の規定により都市計画に土地区画整理事業の「施行区域」(土地区画整理法2条8項)として定められた区域であるのか。
(3) 土地区画整理法9条1項2号によると、「事業計画の…(略)…内容が法令に違反していない」ことが認可の基準の1つとされ、また、同法6条8項によると、「事業計画においては、環境の整備改善を図り、交通の安全を確保し、災害の発生を防止し、その他健全な市街地を造成するために必要な公共施設及び宅地に関する計画が適正に定められていなければならない。」とされているが、本件の事業計画は、これらの要件を満たしていたのかどうか。その内容はどのようなものであるか。
(4) 杉並区長が三井不動産株式会社に対して平成17年12月1日付けでした東京都都市計画事業高井戸東一丁目南地区土地区画整理事業施行認可処分(杉並区告示第719号)及び東京都市計画事業高井戸東一丁目北地区土地区画整理事業施行認可処分(杉並区告示第720号)がされるに至るまでの経過を具体的に明らかにされたい。
(5) 本件土地区画整理事業の施行認可に当たって、現在三井上高井戸グランド一帯を震災時の避難場所として指定されている地域の住民の避難場所について考慮したかどうか。考慮したとすれば、どのように考慮したのか、明らかにされたい。
(6) 訴状の請求原因の「第4、土地区画整理事業施行認可の違法性」及び「第5、用途地域変更等についての違法性」について反論されたい。
(7) 上記(1)から(6)までを裏付ける書証があれば、その書証を提出されたい。
〈裁判長の都への書面要求〉
【被告都】
(1) 原告らの平成18年9月22日付け準備書面に対する反論を記載した準備書面を提出されたい。
(2) 本件土地区画整理事業が施行される土地の区域は、都市計画法12条2項の規定により都市計画に土地区画整理事業の「施行区域」(土地区画整理法2条8項)として定められた区域であるのか。
(3) 乙ロ第3号証の3頁には、「この計画については、市街地状況の変化及び人口の増減などを勘案し、おおむね5年ごとに全体計画の見直しを行っている。」という記載があるが、東京都震災対策条例施行規則5条は、「知事は、条例第12条第1項に規定する地震に関する地域の危険度の調査及び研究に係る測定については、おおむね5年ごとに実施しなければならない。」と規定していることからすると、上記記載は、東京都震災対策条例施行規則5条に規定する地震に関する地域の危険度の調査及び研究に係る測定を前提としている趣旨か。そうであるとすれば、平成14年度改定の「避難場所等の指定」に当たってされた、地震に関する地域の危険度の調査及び研究に係る測定の概要、並びにこれに基づいて指定避難場所を決定する際の作業の過程がどのようなものであるかを明らかにされたい。
(4) 訴状の請求原因の「第4、土地区画整理事業施行認可の違法性」及び「第5、用途地区変更等についての違法性」について反論されたい。
(5) 避難場所等の指定が平成19年度には改定されるものと思われるが、その内容の詳細が明らかになるのは、いつごろか。
(6) 上記(1)から(4)までを裏付ける書証があれば、その書証を提出されたい。
(7) 東京都震災対策条例施行規則を書証として提出されたい。

