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2006.07.30

「三井グランド環境裁判」スタート

 「浜田山・三井グランド環境裁判」の第一回口頭弁論が、26日、東京地裁(杉原則彦裁判長)で開かれました。大法廷の傍聴席(96席)があふれ、急きょ、原告席に補助いすを出してもらって、140人近くの参加者になりました。原告の秋場秀一さん、安藤尤子さん、福田睦子さんが陳述。訴えは真に迫り、陳述が終わるたびに拍手がわきおこりました。3人の陳述を紹介します。

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平成18年(行ウ)第226号 原告意見陳述
平成18年7月26日 原告 秋場秀一

 私は緑に囲まれた広大な三井グランドの環境に惹かれ、グランド北側に住んでちょうど50年になります。移り住んできた頃は、夏になると、虫の声や蛙の大合唱が聞こえる、まさに田園風景そのものでした。半世紀を経た今日、この地域も完全に都市化され、自然環境も一変し、このあたりを歩いても、当時を思い出す風物を見つけることはむずかしくなりました。唯一三井グランドが、その当時の思い出の拠り所となってしまいました。私は三井グループの会社、三井物産に約30年勤めており、テニスコートやプールを利用したり、野球やラグビーの試合の応援に行ったりもしましたので、このグランドの思い出は尽きません。

 一昨年の秋、グランド閉鎖の話を聞いたとき、「まさか」と、俄に信じることはできませんでした。暮れになって、12月19日、三井不動産の第一回説明会でグランド閉鎖の話を聞いて、初めて現実問題として受けとめるようになりました。私は、これだけ宅地化がすすんだなかで、残されている貴重なオープンスペースをつぶすことは「なんとももったいない」と思いました。それは、この地に650戸のマンションと50戸の戸建て住宅という大規模住宅開発を許すことは、周辺住民のいのちと安全を保障する広域避難場所としての機能を喪失することになるほか、桜並木や欅並木の織りなす広々とした空と一体になった景観、いまとなっては珍しい動植物が残る自然環境の破壊、そして人口増に伴う自動車の増加、交通混雑の深まりなどの住環境・生活環境の悪化など、後世への負の遺産ともいうべき諸問題をもたらさざるをえないからです。ひとたび住宅開発されれば、二度とこのオープンスペースは戻ってきません。70年にわたって、地域の貴重な財産として残されてきた大地を失ってはならないという思いは、日に日に強まるばかりでした。

 そんな思いから、私は一住民として、ことあるたびに、三井不動産に対しても、また行政に対しても、いまあるままで残すことはできないものかと、考えられることを提案し続けてきました。企業としての利益の追求も当然のことですし、行政として財源的に簡単にはいかないことも十分理解しているつもりです。都や国の財源を引き出すすべや、住民債起債、あるいはやむなく統廃合せざるをえない小中学校用地との代替など、住民と行政が一体になって知恵を絞り、力を出し合って守る価値があると考えたからです。
 しかし、残念ながら、私たちのこうした思いは一顧だにされず、乱暴にも踏みにじられました。都市計画が、一企業の所有地だけを、しかもその企業のために「一人地区計画」、さらには「2つの土地区画整理事業」という、いかにもおかしな形で認可され、高度制限や容積率・建蔽率の変更がなされたのです。行政の横暴ともいうべきやり方に強い憤りを禁じ得ません。そのうえ、この三井グランドの周囲は通常住宅地内にある生活道路で囲まれ、大型車両が通れるような状況ではなく、工事車輌の通行が計画される鎌倉街道等は普段でも渋滞が深刻なところです。このままでは、道路法の車輌制限令を踏みにじることなしに工事をすすめることはできない地域だといえます。すでに「基盤整備事業」等としてはじめられている工事関係車輌の「特別車輌認可」は法違反といわざるをえません。周辺住民や地域のくらしをないがしろにした姿勢がここにも示されており、さらに怒りは増すばかりです。

 私がグランド閉鎖・住宅開発を知ったとき抱いた「もったいない」と感じたことは、どなたでも共通してもたれた率直な感想だと思います。あらゆる分野で効率優先の弊害が噴出し、スローな、人間らしいくらしをとり戻すことが求められてきているいまの時代に、23区内で、これだけの規模のオープンスペース・緑地を失うことは社会的な損失といえるのではないでしょうか。杉並区でも、この井の頭線沿線には企業のグラウンドが数多く設置されてきた地域です。杉並区は、そのマスタープラン等でも、こうした企業グラウンドの保存を、緑地確保の点からも、また防災上からも、強調し続けてきましたが、それは当然のことです。区長はじめ行政関係者の方々も、個人的にはだれもが、「もったいない」と感じておられるのではないでしょうか。三井不動産をはじめ三井グループの幹部の方々の間にも、そうした思いが少なくなかったとお聞きしますが、それがごく普通の感覚だと思います。それを土台に、企業も行政も対処していれば、今回のような開発計画にはならなかったにちがいありません。

 このグランドは、七十有余年にわたって、三井グループの厚生施設として、企業の発展を支えてきました。いまその役割がうすれ、企業としての必要性がなくなったというのであれば、その役割を別の形で、地域に開かれた施設、公共の施設として発揮する道を追求することが、企業の社会的な責任、とりわけ長期にわたって占用してきた地域に対する責任ではないでしょうか。またそのことをねばり強く追求することこそ、住民に奉仕することを役割とする行政の使命ではないでしょうか。同じ企業グループに誇りをもって勤めてきたものとして、そのことを最後に強調したいと思います。
 行政や法律のむずかしいことは分かりませんが、この間の各種の審議や許認可の経過に接して、行政の裁量が野放図に行使されていることを知らされました。住民のいのちにかかわる地域の安全や環境、長き将来にわたるまちづくりなどの都市計画に大きくかかわることについて、このような状況でよいのでしょうか。今こそ、住民自治の原点を見つめ直さなければならないと考えます。地域住民のこうした思いを受けとめ、早急な認可取り消しと確認差し止めの判決をされ、地域のいのちとくらしを守る財産であるオープンスペースと緑地を蘇らせる道をきり拓いていただくことをお願いして、私の陳述を終わります。

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平成18年(行ウ)第226号 原告意見陳述
平成18年7月26日 原告 安藤尤子

 私は昭和17年から64年もの間、三井グランド北側から徒歩1分のところに住み、現在は孫夫婦と曾孫まで4世代同居をしている一住民でございます。三井グランドは、春の桜、夏の緑陰、秋は紅葉、冬の雪景色、それぞれ素晴らしい自然に恵まれていました。昔は出入りも自由で、近所の子供たちはグランド内で、ブランコ、滑り台、虫取りに興じ、芝生を駆け回り、わが庭のように慈しみ愛してきた、まさに住民のオアシスでした。土日になると運動会が開かれ、さわやかな風とともに、はずむ声が届き、生い茂るこずえを仰ぎながら、また、グランドに集まる野鳥の群れをながめながらの周辺の散歩など、この地に暮らす幸せをかみしめる日々でした。
 昭和47年、東京都が、災害時の広域避難場所に指定したと聞いたときには、ああよかった、有難いことだと感謝したものです。「大地震があったときは、三井グランドで会おうね」が、家族の合言葉になりました。井の頭街道沿いに高層マンションもでき、人口は増え続け、不安は募る一方でしたが、それでも三井グランドがあるからと、思っていました。それが、この度、突然グランドを潰し、マンションが何棟も建つという通知です。私たち住民にとって正に寝耳に水、晴天の霹靂とはこのようなときにぴったりの言葉です。東京でも大地震が予測され、防災のため何百億もの予算が組まれていると言われています。すでにある2万5千坪もの広大な広域避難場所を潰してしまうことは、税金の無駄遣いそのものだと思います。

 杉並区が決定した地区計画の目標は「避難場所としての機能及び避難路の確保を図り、周辺地域と調和した緑豊かで良好な低中層市街地の形成をめざす」と書かれています。オープンスペースがなくなり、マンションが立ち並ぶ場所のどこに避難せよというのでしょうか。グランド周辺一帯が低層住宅地なのに、その中心にある場所に6階建てのマンションを建てることが、どうして周辺地域と調和することになるのでしょうか。さらに、グランド中央には16メートル道路の補助215号線が作られると言います。その道路は、やがて南北に延び、我が家の敷地を貫きます。都内でもまれに見る、静かな町並みは、不必要な大きな道路が貫き、高層マンションが立ち並ぶ住みにくい街へと変貌していこうとしています。一企業の営利と、住民の生活を守らない行政のために、慈しんできたまちが破壊される愚かな決定を、どうしても認めるわけにはいかないのです。

 三井グランドは東京緑地計画に基づき、国の政策として企業や官公庁のグランドとして誘致されたと聞き及んでいます。緑地を残すという趣旨に賛同した地主たちが、一坪約11円、総額30数万円ほどで三井に売却したものだそうです。緑地として残すことを前提にして取得したグランドを、営利だけのために売り飛ばすことが許されてよいとは到底思えません。我が家の近くにお住まいの小山五郎さんは、三井銀行の会長をされていました。三井グループを率いてきた総帥ともいえる方です。小山氏は今年3月惜しくも亡くなられましたが、最後の最後まで三井不動産の見識のなさを憂い、「三井グランドと森を守る会」が三井不動産岩沙社長あてに提出したグランド保全を願う住民の署名簿と手紙に添え、次のようなメッセージを届けられました。
 「長年三井グループに関与してきた一人として、今回の決定は誠に残念である。三井グループの共有の財産として、故江戸英雄氏とともに戦後の厳しい時代から近年まで維持・運営してきたものであり、今や社会的責任をも担っている。そもそも企業経営は事業を興して利益を追求していくことを当然の責務としているが、さりとて貴重な居住環境を破壊してまで行うことは、企業の社会的責任からみていかがなものか」
 心ある企業家のこの言葉を、三井不動産社長はどのように聞かれたのでしょうか。私たちの安全を第一に考えなければならないはずの杉並区長、東京都知事にもぜひこの言葉の重みを考えてほしいと思います。

 私は、かつての第二次世界大戦時に「戦争で多くの人命が失われるのは愚かなことだ」と考えながらも、「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び」ながら言論の自由などまったくない時代を過ごしてきました。当たり前のことを声に出して言える時代まで生きてこられたことを感謝しています。しかし、もの言う自由が保障されても、正しいことが認められないのでは、戦前となんの違いもありません。今ここで、ほんとうにもう最後になった空地を手放してしまえば、取り返しがつかないことになる、このことはだれしもがわかっていることです。その当たり前のことが、おろかな政治家のために、今失われようとしているのです。
 どうか、裁判長、現地を見にいらしてください。すでについ数ヶ月前までの美しい大地は、むき出しにされ、荒れ果てています。しかし、コンクリートを流しこんでいない今の状態なら、じきにもとの美しい自然を取り戻せるでしょう。今ならまだ間に合います。二度と手にすることができない自然を、良好な住環境を、叡智をもって守ることに全霊を傾けるのが行政の必要最低限の責務であるはずです。
 私の亡父は法曹界に一生を捧げましたが、「司法は一国の良心である。国におけるもろもろの営みを分析批判して、それを正しくあらしめることが、司法の機能である」と語っておりました。行政が住民の命を守る機能を果たさないのなら、裁判の正当な裁きでもって、孫子の代まで安心して住めるまちを守っていただきたい。法の番人にはその力も策もあるはずだと信じて止みません。

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平成18年(行ウ)第226号 原告意見陳述
平成18年7月26日 原告 福田睦子

 平成16年8月24日、「みどりのアピールin杉並2004」が、山田宏杉並区長を含む4人の行政の長の名前で宣言されました。アピール文には、「大都市東京の緑化推進を図るため、都市をみどりのベルトで結び、公園緑地や街路樹、河川沿いのみどりと、農地、民間グランドなどのみどりを相互に結び、連続したみどりを保全・創出し、緑地保全を図るため、国と連携し、自治の観点から新しい施策を追求する。その一つとして、国が中心となる研究会を設置し、屋敷林や貴重な樹木、農地、民間グランドなどのみどりが果たす都市環境保全面の重要性に焦点を当てた研究を行い、早急に新しい税の減免制度などの創設を要望する。今日を起点に引き続きフォーラムを開催し、みどり豊かな環境を次の世代に引き継ぐことを誓います。」とあります。

 私達は、それから1ヶ月もたたない同年9月21日付け書面で、三井グランドが1年後に閉鎖され、マンションと一戸建ての住居を含む「総合住宅開発計画」を知ることになります。杉並区議会議長宛ての陳情書をつくり、署名を集めて区長に面会した際も、「杉並区には金が無い」と一言、あまりに迷惑そうな様子に、区発行の文章を調べてみました。
 「杉並区まちづくり基本方針」「杉並区みどりの基本計画」では、何ページにもわたって三井グランド等にふれ、大規模民間グランドについては、貴重な緑地・オープンスペースとしてその保全及び緑化の充実をはかり、区民の利用機会の拡大などについて関係機関と協議する。保全・活用したいオープンスペースとして、景観まちづくり方針として三井グランドを色で塗り分け、主要課題として、【防災】三井上高井戸グラウンドの防災機能充実、「みどりの現況と今後の方針図(高井戸地区)」では、三井グランドを「みどりと水の空間軸」と位置づけています。公式書類のなかで、杉並区は、三井グランドをオープンスペースとして保全し、活用し、良好な環境として次世代に引き継いでいこうと確認しているのです。
 山田区長は、周辺住民が開発を知ることになる5ヶ月も前から知っていて、都市整備まちづくり推進課・計画課と三井不動産との話し合いは、開発手法・用途地域の変更と公園提供とのバーターのような話し合いが、周辺の住民には何も知らされないままに、進められていたようです。開発のゴーサインを出していた区長は、三井グランド問題に触れて欲しくなかったのでしょう。

 何とかして、オープンスペースのままで残す方法がないものか、私達は、「計画中止と緑地・防災拠点としての保全を求める緊急要請書」を作成して、都庁行政担当者・都議会議員・杉並区行政担当者・杉並区議会議員等、多数の方々に面会要請をしてまわりました。陳情署名は、10ヶ月の間に、1万1542名分の署名を集め、区議会議長宛てに提出しました。
 しかし、どこの部署からも、どなた様からも、何の反応もありませんでした。杉並区が住民説明会を開いたのは、平成17年2月12日、杉並区に三井から初めて話があったのが平成16年の5月ということですから、これが本当だとしても、話を知ってから10ヶ月も経っていたことになります。このことは、杉並区まちづくり条例の基本理念(第3条)「2.区、区民及び事業者は、まちづくりに関する必要な情報を共有し、対話を進め、区民の意志が尊重されるまちづくりに取り組みます。」という文言に明らかに違反しています。

 杉並区の説明会は、三井の説明会をなぞるような会で、まちづくり推進課と計画課が、土地区画整理事業として深く関わって行政指導してきていることがわかりました。当日の配布資料は、普通の目では読めないような細かい不鮮明なもので、一方的に押しつけるような会だったことを記憶しております。7月15日、同16日、9月2日の会は、すでに「素案」「原案」説明会として持たれ、住民に充分な説明も示されないまま、行政の高圧的な態度が目立ち、不信感をつのらせるもので、私達は、「このままでは、何も動かない。何とか別の手を打たなくては」と考えました。

 三井の計画は、開発地域内だけの「一人地区計画」ですが、杉並区まちづくり条例第9条、第16条3項に従って、私達自身で、地域に良好なまちを計画してみようと、「三井グランドを核にした浜田山・高井戸地区の地区計画」を策定し、区の原案提出日と同じ8月31日に杉並区長あて、提出しました。
 この「地区計画」の中には、「署名陳情書」「要請文」にも書き込まれた、三井グランドをどうしたら、オープンスペースのまま残せるかという思いをこめて、地域住民との利用計画協議を提案し、①小・中学校統廃合跡地などとの用地交換、②高井戸中学校や、他校も含めた校庭としての広範なスポーツの場として、③固定資産税・都市計画税の非課税を実現し、「借地公園」「学校防災公園化」柏の宮公園と合わせて「都市計画公園」にならないか、など、資金としても、国・都・長期の区予算・住民からの目的区民債券募集・等々、今、全国の自治体で新たな資金調達の手段として自然環境などを保全するための活動がなされていることもふまえて、杉並区に働きかけてきました。

 9月27日、私達が提出した「地区計画」は、第4回都市計画まちづくり専門部会で審議され、手続上の不備・「地区計画」の提案権の悪用とまで部会長に言われ、「門前払い」を受けました。後日開催の都市計画審議会では、「手続上・技術的な部分での不備はあっても、住民の意思を受け止める場であったらよかったのではないか、」という委員発言もありましたのに、私達の真意を伝える場は閉ざされたままだったのです。秋に入って、都市計画法による(案)(原案)に対して、多くの反対意見書が提出されましたが、検討されることはありませんでした。

 出来る限りの智恵と体力をかけた1年3ヶ月でしたが、区の都市計画審議会も、多くの疑義が出されているにも関わらず、充分な説明がなされないまま、委員長判断で、強行採決が行われ、三井と杉並区、東京都が計画した通りのスケジュールに沿って、すべてものごとは一方的にすすみ、開発に必要な手続の基本部分は12月21日の東京都都市計画審議会で、用途地域の変更を決定し、明けて平成18年1月23日東京都告示・杉並区告示の都市計画変更及び決定となりました。
 我が「まち」を「自らの意志が反映されるまち」にしていくため、東京都民・杉並区民として、公正に参政権を行使したにもかかわらず、何ら、聞く耳をもたなかった行政に対して、私達は、行政訴訟を起こす決意をいたしました。

 裁判官の皆様、どうか私共の「オープンスペースのまま残したい」「潰すのはもったいない」という気持ちを共有していただきたく、周辺住民が提訴という形で立ち上がった真意を汲んで頂き、正しいご判断をなさってくださいますようお願い申し上げます。

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2006.07.01

三井グランド環境裁判、初公判前に画期的成果

訴訟手数料(印紙代)が大幅減額

 これまで行政訴訟の手数料(印紙代)が大変高く、住民が提訴する門戸を狭めてきました。今回の提訴時にも、事案1件につき原告一人当たり1万3000円の印紙代を請求される可能性がありました。つまり、区画整理事業認可取り消し(2件)と建築確認差し止め請求(1件)で計3万9000円、52人分で202万8000円の高額にのぼる可能性がありました。
 これに対し、斎藤弁護団長が東京地裁に上申書を提出。「行政訴訟の門戸は極力拡大するべきである」「請求の趣旨の数、原告の数にかかわらず、一体として訴訟算定をおこなうように」と交渉を続けられた結果、3件を一体化した算出基準に変更され、27万2000円に大幅減額になりました。このことは、当然、全国の行政訴訟に影響を及ぼします。住民が提訴する門戸を大きく開いたことになり、画期的な成果です。

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三井の工事車両、杉並区が野放し状態

 グランド内の補助215号線の掘削工事が始まり、大型ダンプ(10トン車)が横行しています。住民の安全などお構いなしです。これら車両は、すべて道路法の車両制限令に違反しています。
 道路を管理する法律は幾つかあり、道路交通法は警察の管轄です。ほかに、行政が管轄する道路法があります。これは道路の保全と住民の安全・財産(家屋等)を守るためで、非常に厳格なものです。この第5条では道幅によって通行できる車両を、幅や重量などによって規制しています。狭い道ばかりのグランドには、積み荷が分割可能な場合は、幅1.3メートル以下しか入れません。土砂や生コンは分割可能ですから、4トン車でも違法です。「積み荷が分割できずやむを得ない場合」に限って、管理者の許可を取るよう命じています。
 ところが杉並区は、違法な車すべてに、「特殊車両通行認定」を与えてきました。6月27日、土木管理課と交渉した際、昨年10月~6月末までに690台を許可し、また、すでに12月分まで許可していることを認めました。6カ月先、運転手が生存してないかもしれない、積み荷も確認できない状態でメクラ判を押しているのです。工事被害から住民を守る役割を担っているはずの公務員がこの有様では、住民はたまったものではありません。

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