フォーラム報告・・・三井グランド存続へ熱い思い
140人を越える参加で「緊急フォーラム」の熱気
住民フォーラム実行委員会が呼びかけた「三井グランドをどうする」の緊急フォーラムは、4月24日夜区内高井戸地域区民センター会議室で開催され、区内から会場に定足数をはるかに越える140人余の参加で、住民の関心の高さを示しました。
住民と行政、事業者がそれぞれの立場から意見交換し、まちづくりを検討しあう場としての呼びかけにもかかわらず、杉並区と三井不動産は、「すでに説明をしており、話を聞く窓口はいつでもあけている」として、パネラーとしての参加を断ってきましたが、「フォーラム」は整然としてもたれ、今後の三井グランド問題を解決していく手がかりを住民自身の手で切りひらいていく契機となる話し合いの場となりました。参加者からは、「一番損したのは、出てこなかった区と三井だ。フォーラムの内容をより広く住民に知らせていくことがいま大切」という声もあり、グランド存続への熱い思いがみなぎったつどいになりました。
パネラーの発言で五十嵐敬喜法政大学教授は、日本の都市計画行政が、欧米諸国のそれとは逆に開発業者優先であり、開発規制緩和に走っていることの問題点を鋭く指摘し、今回の三井グランドの開発に際しての事業者と区一体の「地区計画」方式は規制緩和型の典型であり、この地域だけの問題でないことを明らかにしました。そして、自らかかわってこられた神奈川県の真鶴町での「美の規準」を土台にした環境規制条例制定のとりくみで逆に開発を規制してきている事例を紹介し、住民自身の力で自然環境と住環境を守っていくことができるし、その必要性が今ますます高まっていることを示しました。
防災都市計画研究所代表の村上處直氏は、蚕糸の森公園をはじめ全国各地の跡地開発計画に関わってきた経験を紹介し、いま「できるだけいじらないことが」人間にとって大切なことを強調しました。そして、日本の震災対策が耐震建築偏重で、地域トータルとしての防災対策が必要なことを明らかにし、三井グランドのオープンスペースの貴重な役割を失うことが、大きな損失であり、企業のグランドとしての閉鎖的な使用によって豊かにつくられてきた自然とともに、なくすには「もったいない」ことを明らかにしました。
三井上高井戸運動場公害被害者の会代表は、グランドに接する土地所有者18人でつくる会が、大ケヤキやグランドの砂塵による近隣の被害を指摘し続けてきたことを述べるとともに、それもこのスペースとみどりあってこそ我慢もせざるを得なかったのに、解決なしに住宅開発することの非を追及していることを語りました。しかも突如として高さ制限を地区計画によって緩和し、6階建てを計画していることに憤りをもって抗議していることを訴え、共に手を携えていきたいと表明しました。
三井グランドと共に育ったというSさんは、小中学校を通じて親しんできた三井グランドがなくなるなんてショックと、若い感覚でこの問題を受け止めて、なんとかしたいといたたまれない気持ちを訴えるとともに、高校時代を過ごしたロンドンの街との実感的な比較から、かけがえのない自然と生き物のいのちを守っていくことの大切さを語り、そのためにできることはなんでもしたいと決意を語りました。
長年高井戸東で三井グランドと森に接して暮らしてきたMさんは、突如として起こった今回の開発計画が、70年に渡って地域と共に維持され、その役割を果たすことができた三井グループの社会的な役割をいかに無視したものであるかを指摘するとともに、それを規制し、住民の立場から規制すべき行政が、その役割を果たさないばかりか、逆に開発を進める役割を担ってきていることを追及し、絶対の許せるものでないことを明らかにしました。
休憩後の5人の報告・発言への質疑と討論の柱になったのは、オープンスペースとしてのグランドの大切さをどう守っていくのか、どのような運動が求められているのかという点でした。
五十嵐・村上両先生からは、「一人地区計画」の不当性や、広域避難場所など防災面からの開発のあり方の追求など、示唆に富むお話をいただきました。また、事業者にとっても開発が利益を損なうと思わざるを得ないような提起、さらには事業者にも住民にも役立つ公的な活用の方法の提起、子や孫の代に判断できる余地を残していく必要性などが、話し合いを通じて、より明確にされていきました。
フォーラム実行委員会の構成団体の一つである「三井グランドと森を守る会」からも、この6ヵ月近くの取り組みの経過を述べるとともに、現状と到達点を明らかにし、運動の方向を示しました。参加者からも、グランドの存続へ、三井や区も再考せざるを得なくなるような状況をどうつくるか、次々に取り組みの提案が出されました。
フォーラムは最後に、参加者一同の名で、別掲の「区、区民、事業者が協働していくことを呼びかける」アピールを確認し、閉会しました。
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